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広島家庭裁判所呉支部 平成9年(少)314号

主文

少年を中等少年院に送致する。

理由

(罪となるべき事実)

1  司法警察員作成の平成9年7月8日付け少年事件送致書犯罪事実欄1記載のとおり

2  同送致書犯罪事実欄2記載のとおり

3  司法警察員作成の平成9年7月15日付け追送致書犯罪事実欄記載のとおり

(法令の適用)

1ないし3の各事実について

いずれも覚せい剤取締法41条の3

第1項1号、19条(1の事実につい

ては、更に刑法60条)

(処遇の理由)

本件は、少年が、覚せい剤を2度にわたって自己使用するとともに、共犯者と共謀の上、共犯者に覚せい剤を注射してやったという事案である。

少年は、友人が覚せい剤を使用していたことから、平成8年10月ないし11月ころから、覚せい剤を使用するようになり、本件によって逮捕されるまでに、約50回にわたって自ら覚せい剤を購入し、これを小分けして使用することを繰り返していたものである。そして、少年は、このような覚せい剤の使用について、友人との交際手段であって、いつでも止めることができると安易に考えながら、実際には、後記のような少年の生活態度をめぐる妻との諍いによるイライラの解消を目的として、妻の妊娠・出産や苦しい家計といった家庭状況をも顧みることなく覚せい剤を買い求め続けるに至っていたものであり、少年の覚せい剤に対する依存性は相当進んでいたと言わざるを得ない。

そして、少年は、前件(集団危険行為等)による保護観察中であったにもかかわらず、本件各犯行に及んだもので、また、その生活状態を見ても、平成7年6月以来、妻と同棲(平成9年4月16日婚姻届出)し、養父母(実母は既に死亡し、実父とは交渉がなく、実母の両親が養父母となっている。)からは一応独立したものの、平成9年4月ころまでは就労も安定せず、友人との交遊に主たる関心を向け、夫や父親(平成9年5月22日長男出生)としての責任を果たしていたとは到底言い難い状態であった。

したがって、少年の妻(19歳)が今後の少年の監督を尽くす旨を誓っていることや、就労先が一応確保されていること、更に少年の少年院への収容によって妻子の生活が困窮する可能性があることを考慮したとしても、この際、少年を少年院に収容し、薬害指導を行うとともに、遵法精神、責任感及び社会適応能力を涵養し、健全な社会生活及び家庭生活を送る礎を確立させることが、少年の更生に資するものと判断される。

よって、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項を適用して、少年を中等少年院に送致することとし、主文のとおり決定する。

(裁判官 佐々木亘)

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